柑橘系精油の種類と香り
柑橘系精油は、柑橘類の果皮から抽出される天然成分100%の香りを閉じ込めたエッセンスです。
その爽やかで明るい香りで心と体を元気にすることから、アロマテラピーなどさまざまな目的で親しまれています。
以下に弊社で取り扱いの柑橘系精油の種類とその特徴についてご紹介します。
ベルガモット(Citrus aurantium bergamia)
収穫したばかりの果物の皮を剥いたような、フレッシュでフローラルな柑橘系の香りです。
紅茶のアールグレイの香りづけとしても有名ですね。
その香りには、リラックス効果があり、気分を安定させるのに役立ちます。
他の柑橘系精油との違いとして、ラベンダーにも含まれている酢酸リナリルやリナロールを含有しています。
この成分は心のバランスを整え、心を落ち着かせる働きがあるといわれています。
ベルガモットベルガプテンフリー(Citrus aurantium bergamia)
ベルガプテンという香り成分が取り除かれているため、光毒性*がありません。
ベルガプテンとは、柑橘系に含まれる香り成分で、光毒性という紫外線に当たることで炎症を起こす可能性のある成分です。
香りは上記のベルガモットと、ほとんど違いはありません。
そのためマッサージやトリートメントでは、こちらのベルガモットベルガプテンフリーがよく使われます。
ライム(Citrus aurantifolia)
酸味のある柑橘系の香りが特徴的です。
ライム精油には、リモネン、1,8-シネオール、β-カリオフィレンなどの成分が含まれています。
レモン(Citrus limon)
爽やかで甘くフルーティーな香りです。
レモン精油には、リモネン、βピネン、シトラールなどが含まれています。
ライムとレモンは、爽やかな香りで気分をリフレッシュしてストレスを軽減するのに役立つとされています。
ジメジメした梅雨時や夏の暑い日などにすっきりとした香りで気分転換やプチ不調にピッタリです。
ライムとレモンの成分プロフィールは若干の違いがあります。
これらの成分は、精油の香りや作用に影響を与えます。
ぜひ香りの違いを嗅ぎ比べてください。
マンダリン(Citrus reticulata)
柔らかく甘い香りが特徴で、穏やかな香りのため人気があります。
ブドウ様の甘い香り成分のアントラニル酸ジメチルを含みます。
その甘い香りは、気分をリフレッシュさせ、心を落ち着かせる働きがあります。
気持ちに浮き沈みがあるときにおすすめの香りです。
スイートオレンジ(Citrus sinensis)
柔らかく甘い香りが特徴で、穏やかな香りのため人気があります。
オクタナールという甘い柑橘の香り成分を含有しています。
その甘い香りは、気分をリフレッシュさせ、心を落ち着かせる働きがあります。
リラックスさせる働きがあるため、寝つきが悪い時に睡眠を促してくれます。
グレープフルーツ(Citrus paradisii)
グレープフルーツ精油は、甘酸っぱい香りが特徴で、気分を明るくさせます。
また、微量成分でほろ苦さを感じさせる香り成分のヌートカトンを含有しています。
この成分は、食欲を抑える働きや新陳代謝を促進するのに役立つといわれています。
リツエアクベバ(Litsea cubeba)
レモングラスの香りのようなレモン調の香りです。
「リツエ、リトセア、メイチャン、アオモジ」など複数の別名が存在していますが同じものです。
特徴としてレモンに似た強い香りをもつ、シトラールが主な芳香成分です。
レモンには数%しか含まれていませんが、リツエアクベバは70%程含有しています。
そのため、レモン以上にレモンの香りがすることから、やる気が湧かない、憂鬱なときになど気分を明るくして元気になるような精油です。
光毒性になる可能性のある成分が出ない水蒸気蒸留法で抽出しています。
ユズ(Citrus junos)
日本の高知県原産の柚子です。
血行促進作用が期待できる成分が多いことから、古くから冬至の時期に柚子湯が日本文化に定着しています。
人の手でひとつひとつ大切に育てられた柚子は、水蒸気蒸留法により精油を抽出しています。
現在、日本を代表する精油"和精油"としてフランスでも人気の精油です。
レモンやライムの柑橘系と比較すると温かみのある香りが特徴的です。
リツエアクベバと同様に水蒸気蒸留法を行っているため光毒性のある成分は抽出していません。
光毒性
圧搾することで抽出された柑橘系精油には、紫外線に当たることで肌に炎症を起こす光毒性という成分を含有している可能性があります。
なお、圧搾法で抽出された精油には光毒性がありますが、水蒸気蒸留法で抽出されたものは光毒性を持ちません。
リツエアクベバとユズ精油が光毒性のない水蒸気蒸留法の精油にあたります。